@−1)命を預かると言うこと

 

 「命を預かると言うこと」のページを見に来て下さり、ありがとう御座います。皆様にはこのサイトの解説ページをご覧になる前に、どうしても知って頂きたい事があります。それは海水魚に限らず、ペットはみな人間の手の内で飼われていると言うことと、海水魚を飼うことは海から切り取った小さな海中を維持すると言う事です。小さな水槽で飼うのは可愛そうだの、自然界で生きるのが最も幸せだの、私は皆様にそんな蘊蓄を押しつける気は毛頭ありません。ペットは時に、人間にとって重要な役割、多大な癒しを与えてくれることもあるのです。更に、アクアリウムはペットとしての癒しを与えてくれる他に、自然、命を守る心も育ててくれる素晴らしいものです。大自然から預かった大切な命。是非健康に、快適に育てて行きたいものです。

 上の写真はマレーシアのティオマン島です。写っているのはオサーンな私(笑)
 海には多種多様な海洋生物が生息しており、私はダイビングを通し、実際にその生態系を何度も見てきました。

 海は広大です。その大きさも水量も、想像できないほど無限に広がります。潮の流れも強く、海水の淀みなどは殆どありません。ダイビングをしていると潮の流れがものすごく強い事に戸惑います。対して我々アクアリストの水槽は極小です。通常であれば数十〜数百リットル、大きくても1t水槽ほどだと思います。その絶対的な水量の差により海水成分の変化も異なり、あらゆる方向からの潮の流れがある海に対して水槽内は水流も単調で小さく、異なる事が非常に多いです。ですが、水槽内で生活する海水生体たちにとっては、小さな空間に用意された飼育環境がその全てになります。

 海にコップ一杯の墨汁を撒いたとします。墨汁はすぐに拡散され、波に揉まれあっという間に跡形もなく散って行きます。ですが同量の墨汁を水槽に撒いたとしたらどうなるでしょう?言うまでもなく海水は黒ずんでしまい、それが浄化されるのにはかなりの時間がかかります。

 しかし我々の水槽は「海と同じ生体を飼育する、小さな海」です。逆に言えば、小さな海でも限りなく自然と同じ様な環境に近づけなくてはならないと言う事です。

 水量も水質も浄化能力も大きく異なる海と水槽。その差を極力埋め、出来るだけ海の水質環境に近づける努力が必要です。そしてその差を埋めるのは「知識」と「日々の手入れ」、そして「命を慈しみお世話をする心」です。これはどのペットを飼っても同じことが言えますが、お世話も楽しいと感じる「愛情」無しには命を預かる事は出来ません。

 ペットを飼うと言うこと。それは人生を共に過ごし、共に癒されることだと思っています。少々大袈裟ですが、我が家の海水魚たちは、私にとって大切な相棒です。

 

 水族館を例に挙げてみます。あの巨大な水槽で優雅に泳ぐ色とりどりの魚たち。見ているだけで心が和み、子供は喜び、彼らの姿は人間の心に「癒し」という平和を与えてくれます。そんな環境が家で造れたら・・・アクアリスト達は皆初め、そんな想いで魚の飼育を始めることでしょう。これは素晴らしい事だと思います。

 しかし・・・熱帯魚ブームは事あるごとに到来します。例えば、皆様もご存じだとは思いますが、「ファインディングニモ」が映画として公開され、一時期空前の「カクレクマノミ」ブームが訪れました。かく言う私もファインディングニモは大好きで、DVDを購入し、もう何度も繰り返し見ています。しかしこのディズニーアニメは、一つの悲しい問題を抱えています。

 海水魚は淡水魚と違い、海水の性質を何も知らずにいきなり飼える程飼育は単純ではなく、生命にとって安全な水槽にするまでにはかなりの努力が必要です。ファインディングニモを見た子供にカクレクマノミを飼いたい!とねだられた優しいお父さん。気持ちはよく分かります。ですが海水の元を入れただけの、金魚や淡水熱帯魚と同じ飼育システムで飼い出してしまうと、海水魚たちは短く苦しい一生を余儀なくされてしまいます。

 私の友人が、30cmの24Lキューブ水槽、ヒーター、外掛け式濾過槽の簡易的な飼育システムで「カクレクマノミ」を飼い出した事がありました。ペットを愛しむ気持ちはとても良く分かりました。大切に大切に飼育していましたが、数日でクマノミ君は弱りだし、一週間後には短い一生を終えてしまいました。すぐさま駆けつけ、システムを改善すればよかったと私も後悔しましたが、飼い主は酷く悲しみ、落ち込み、海水魚の飼育を諦めてしまいました。後で聞いたのですがそのシステムは、ペットショップのお勧めとして、カクレクマノミとセットで販売されていた品物だったそうです。とても悲しい現実です。

 丈夫なスズメダイ科であるカクレクマノミも、「カクレクマノミセット」と一緒に買ってきて当日から健康に飼育が出来るほど海水魚の飼育は甘くありません。ましてや容量24Lの小型水槽と物理濾過だけの外掛けフィルター。30cmの金魚飼育セットでは海水魚の命はとても維持していけません。

 

 カクレクマノミと水槽、ヒーター、海水の素、照明、外掛け濾過も付けて2980円のお得なセット!これで貴方もマリンアクアリスト♪ にっきゅっぱですか!!やっすいね〜。

 ん?

 

 何寝ぼけた事言って・・・2980円の簡易人間飼育システムにでもぶち込むぞ?
 小一時間説教してやるから正座しろやゴルラァ!

 

 

 ・・・ハァハァ。

 おっと、取り乱しました。すみません。

 残念ながら・・・未だにそんなお店は存在します。私も見たことがあります。命を扱う業者が安かろう悪かろうなシステムを売ってどうするのよ(T_T) 死ねばまた買いに来るみたいな商売をしている店があるから、世間から動物愛護精神が失われるんです。そんな店は繁盛していても悪徳業者です。値段が高くても命の維持に対して適切な設備を販売して頂きたいものです。

 

 

 上で述べた「淡水魚と同じ簡易的な飼育システム」とは、以下の様なシステムを想定しています。

■60cmより小さい水槽(45cmや30cmの水槽など)
■上部濾過槽や外部濾過装置のみ(外掛け式外部濾過器は論外)
(海水用の大型上部濾過装置等も売られています。)
■水温調整器具がヒーターのみの環境

 

大変恐縮ですが、はっきり言わせて頂きます。

金魚水槽と同じ様な簡易飼育システムで飼われた海水魚達は、

ほぼ間違いなくすぐ死にます。

 

 え?これじゃ駄目なの??と思われた方もいらっしゃると思います。

 

駄目なんです!(きっぱり)

 

 厳しいことを言ってしまい大変恐縮なのですが、上記の様な簡易飼育システムでは、「安全な海水水槽」としては不十分なのです。上記の事はお住まいの地域、気温や環境、導入する生体の強さや生体数により一概には言えませんが、水槽立ち上げ時に多い、海水魚の死亡原因のトップが「悪環境下での飼育」なのです。例外的に上記システムで時間をかけてバクテリアを熟成させ、長年海水魚を飼われている方もいらっしゃいます。私の友人に簡易システムで工夫を凝らして飼うことに燃えている方が一人います(笑)あと放蕩息子さんなんか30cm水槽底面濾過でカクレクマノミを健康維持してるし!

 しかしこういった方々は海水生体の飼育についてかなりの上級者です。大概の場合、小さな簡易システムで飼育するとすぐに死んでしまう海水魚が多いのではないでしょうか。このページを見に来てくださった方はきっと、自分の飼う魚たちを快適に長生きさせたいはずです。

 ベテランの方には「何を今更!」と叱られてしまうような文章ですが、私がこのホームページを作成した上で一番の目標だったのが、「悪環境下で★になっていく海水魚たちを少しでも減らしたい」という切なる願いだったのです。

 でもお父さん!心配することはありません。しっかりした知識と設備さえ整えば、海水魚の安全飼育は十分可能です。子供達の情操教育の為にも諦めないで下さい! 私もまだまだ学ぶことは多いですが、子供や家族に多大な癒しと自然を愛しむ心を与えてくれる海水生物達。そんな彼らの特性を共に学び、ペット達にも快適に過ごしてもらいましょう。私にそのお手伝ができれば、とても嬉しいことだと思っております。

 それでは何故、海水魚は淡水魚と違い、上記の様な飼育システムでは長生きしないのでしょうか?その解説はこれから進んでいくページにてご説明させて頂きます。貴方の大切なお魚君達を、是非長生きさせてあげてください。そして目一杯癒されてくださいね!

 


@−2「海水生物は繊細な生き物」へ進む


作者は国語赤点野郎です。文章に不備が合った場合や、分かりにくい事、質問などが御座いましたらどしどしメールをして下さい。ホームページにも反映させていきたいと思っています。

TOPページへ

安全水槽のすゝめ・飼育用製品の
販売ページ(mini-shop)へ