A−6−5)治療レベル6

 

このページはA−6−1「何故病気になる?」、A−6−2「病気の実態」の内容を多く使用しています。前ページをお読みになってない方は、是非読んでからご覧になって下さい。より一層の内容理解が得られると思います。

 

■レベル6・高水温治療(水槽の半リセット)

 治療レベルの最強を誇る病水質改善方法です。その名も 「水槽のリセット」 当たり前じゃないか!とお叱りを受けるかも知れません・・・ですがこれが本当に最強の水質改善方法としてご容易に理解いただけると思います。

 水槽のリセットは頭で分かっていても、中々出来ることではありません。何故なら、今まで苦労して構築してきた「バクテリアの繁殖」や「水質の安定」を全て捨て、一からやり直さなければならないからです。でもよく考えて下さい。もう手の施しようが無い程に病原菌や病原虫が繁殖し、水質が悪化しきった水槽を、安定した水槽と呼べるでしょうか?

 しかしながら、せっかく繁殖しているバクテリアを捨ててまで、リセットするのはどうかと躊躇してしまう方が殆どだと思います。このリセットにはよい方法があります。ただ単に水槽の全てを捨て、新たに立ち上げたのでは芸がありませんし、自然から借りているライブロックなども無駄になります。無脊椎などの水質にうるさい生物にとっては、安定していないリセット後の水槽ですら死を迎えてしまいます。ですので早急な安定した水槽の立ち上げが必要です。

 ここで一言・・・

 

 実は水槽のリセットに、せっかく繁殖しているバクテリアや大切な資源であるライブロックを捨てる必要は全くないのです。

 

 さてどういう事でしょうか?これを実現するためには、水槽内の全病原を死滅させ、バクテリアだけを残し、水質を改善する方法が必要です。これには簡単ではありませんが、良い方法があります。

 それは元の病原菌に冒された水槽の海水温度を、バクテリアが生きられる限界の高水温を把握し、高水温をキープする事によりその他の有害な病原虫や病原菌を退治し、水質を改善してしまおうと言う考えです。難点を言えば、バクテリアだけが生残りますので、当然その他の微生物などは死滅してしまう所です。

 海水における硝化バクテリアが最も活発に活動する温度は25℃〜30℃です。また種類にもよりますが、バクテリアが生存できる最高の水温は約50℃です。これに比べ白点虫などの繊毛虫や菌類は、34℃前後で死滅する生体が多く、バクテリアの耐熱温度より遙かに劣ります。

 と言うことはです、病原虫や病原菌が発生し、もう手の施しようがない水槽だからといって、全てを捨てて0からリセットする事はなく、海水魚を含む全ての生物、ライブロックなどを別水槽に移し、元の飼育水槽の水温を高水温にすれば良いと言うことになります。

 ただし先にも申し上げましたが、微生物の殆どはこの温度に耐えられず、死滅します。これによって水質は極端に悪化しますので、水槽のリハビリ期間、完全なる換水が必要です。

 病原を死滅させ、尚かつバクテリアが生きていける具体的な温度は、34℃〜50℃です。ですが34℃だと生き残る病原が出てくる可能性もあり、また、50℃ですと死んでしまうバクテリアも出てくると思いますので、浄化の適正水温はその間の「42℃」と言うことになりますが、バクテリアの生存を優先し、おおよそ「40℃」でキープします。この高水温を一定時間キープするだけで、水槽内殆どの病原が死滅していく事になります。ただし、この高水温にクーラーやヒーターなど水温調整器具のサーモスタッドを晒してしまうと、サーモスタッド内部の機器が破損する恐れがあります。また、温度計などの最大許容温度も越えてしまい、水温計が破損する恐れがありますので、これらの温度計やサーモスタットなどの高水温に耐えられない器具は全て外してください。

  しかしながら飼育水槽の海水温を「40℃」に長時間キープするのは難しいと思います。何故なら、通常販売されている水温調整サーモスタットなどは、大概の製品が15℃〜35℃までの設定範囲しかないからです。ですので人為的に水温を「40℃」で保つ必要があります。そこで以下に、私が実際に行った<高水温による水槽浄化手順例>を明記しますので、参考にしてくだされば幸いです。


<高水温による水槽浄化手順例>約10日間程度の作業になります。

 ■用意する物

  ・60℃程度の水温を測れる「1℃単位の温度計」(100円ショップなどでも売っています)

  ・大きな能力のヒーター単体(60cm水槽なら500W、120cm水槽なら1000Wを2本など)

  ・短期隔離の為の水槽セット(熱帯魚飼育セットなどが安くて手頃です)
    ※毎日換水を行います。元の濾材を使用しても構いませんが、治療後は戻せません。

  ・無脊椎がいる場合、無脊椎だけを入れる隔離水槽セット

  ・ライブロックがある場合、ライブロック専用の水槽や大きめのバケツなど

  ・全水量の海水を3回作れるぐらいの海水の素

 

※高水温治療にはサーモスタッドの付いていない「ヒーター単体」を直接コンセントに差し込み、水温を上昇させますが、絶対に40℃を越えてはなりません。水温計から一時も目を離さないように注意して下さい。

 

1)隔離水槽を用意し、「魚」、「無脊椎」、「ライブロック」に分けて隔離します。

 

◎「隔離水槽・魚」

 @シスト、及びトロホント拿捕のため、隔離水槽の濾過槽にはフェルトなどの細かい生地の物理濾材を用意します。

 Aアクアセイフなどで水質を調整し、必ず新しい海水を作成します。

 B飼育水槽と水温を同じ温度に保ち、入念な水あわせ後、隔離水槽に全ての魚を移します。

 C魚の隔離水槽は毎日水換え、フェルトの交換を行います。(換水は総水量の半分以内、新海水はアクアセイフなどで水質調整を行い、換水時は点滴などを使い、1時間ぐらいかけて新海水の注入作業を行ってください。)

 D魚水槽は必要に応じて治療薬などで薬浴を行います。(症状が見られる生体、見られない生体に分け、症状が見られる生体のみ薬浴させる方が無難です)

 ※隔離水槽に底砂は絶対に入れないで下さい。(シストの残留防止のため)

 

◎「隔離水槽・無脊椎」

 基本的に魚の隔離水槽と同様ですが、換水をする場合は総水量の1/4程度に留めておいた方が無難です。また、無脊椎水槽には絶対に治療薬を投入しないで下さい。

 

◎「隔離水槽(バケツ)・ライブロック」

 ライブロックは生体とは別の水槽(バケツ)に隔離した状態でキュアレーションを行います。こちらには濾過器は必要ありませんが、水温だけは飼育環境に合わせて調節して下さい。ライブロックのキュアレーションについては、後述の「ライブロックについて」を参照して下さい。

 

 

2)水質が悪化し、病原に冒されている元の飼育水槽に高水温治療を施します。

 

 @濾過循環を一時的に停止します。

 A水槽から物理濾材と生物濾材、濾過用ポンプを除く全ての機材を外し、真水でよく洗い、保管します。

 B底砂を全て取り出し、水道水でよく洗った後に鍋などに入れ煮沸消毒をし、常温に冷めてから冷蔵庫などで保管して下さい。
  ※底砂の取り出しは、ホースを使ったサイフォンが便利です。大きめのバケツを使い、「底砂をホースで吸い出す」、「海水だけを水槽に戻す」を繰り返して摘出してみて下さい。

 C白点虫や汚濁をある程度除去するため、濾過槽の物理濾過にフェルトやファイバー濾材などの目の細かい濾材を使用し、水槽内の海水が透明になるまで濾過を回します。

 D海水が透明になったら、濾過循環を一度止め、物理濾過のフェルトを新しいものに全て交換します。

 E飼育水槽に40℃以上対応の水温計と、ワット数の大きいヒーターをセットします。

 F濾過循環を再開し、ワット数の大きいヒーターにて海水を40℃まで上昇させ、高水温を1時間程度キープします。

  ※水温計から目を離さず、絶対に40℃を越えないように注意して下さい。

★ここで殆どのシストはセロントに分裂し、高水温により死滅します。

 

 G常温に冷めるのを待ちます。(24時間ぐらいかかります)

 H常温に戻った状態で、撤去した水槽機材を再度設置し、通常飼育水温を保ちます。

 Iそのまま1週間程度、毎日適量の水換えを行いながら、濾過循環を稼働させます。(生き残ったセロントの死滅を待つ為と、換水とバクテリアによる水質安定を待つ為)

・・・・

 

「ここで注意!」★★

 高水温処理をした水槽は、微生物が大量に死亡しています。つまり、一時的に「アンモニア」の数値が著しく上昇します。そしてこのアンモニアは各種バクテリアによって「硝酸塩」に硝化され、最後には硝酸塩濃度が著しく上がります。ここまでくれば毒素の硝化は完了していますので下記のプロセスに進みますが、濾過層の能力によってはこの期間が長引く事があります。毎日硝酸塩の数値を計測すると、この変化がよーく分かると思います。

 硝酸塩の数値が上がるのは、逆に「バクテリアが生残っていてアンモニアが処理されている証拠」ですので恐れる事はありません。水換えで解決します。

★★★★★★★★★

 

 J一週間後、冷蔵庫で保管していた底砂を水槽に戻します。(出来れば底砂を入れないベアタンクが好ましいのですが・・・)

 K全換水を行い、海水が安定するまで24時間ほど待ちます。

  ここで注意!!
  生体がいないからと飼育水槽内に海水の素と水を入れて海水を作ってはいけません。
  バクテリアが死んでしまいます。

 Mキュアリングを終えたライブロックを飼育水槽に戻します。

 L入念な水あわせをし、隔離していた生体を全て治療後の水槽に戻します。

 


 以上でレベル6(水槽のリセット)は終了です。大変手がかかり、時間もかかってしまいますが、バクテリアを生存させつつ、病原虫や病原菌を死滅させ、水質を改善するには大変有効な手段です。大概の病気の場合、この方法で水槽自体の病気は完治すると思います。我が家の水槽ではこの高熱治療で死亡した飼育生体はゼロでした。(飼育生体:タコアシブランチ/ホンソメワケベラ/コバルト/ルリスズメダイ/オヤビッチャ/ナミチョウチョウウオ/フウライチョウチョウウオ/カクレクマノミ/ブラックオセラリス/センジュイソギンチャク/キャメルシュリンプ/しったか貝/カニ)手間はかかってしまいますが愛魚には非常に優しく、かつ病原に対しては強烈な治療法だと言うことが確認できました。

 ただ、温度を上げてバクテリア以外の生物を死滅させますので、硝酸塩濃度が非常に上がります。これはKの全換水で一時的に解決しますが、硝酸塩は濾材などにも付着しており、硝酸塩数値が下がるまでの数日間は水換えを連続して行います。

 死滅して壊されてしまった微生物達の生態系は、ライブロックを戻す事により再び徐々に回復してきます。

 上記の高水温治療は、水槽のリセットよりも手間がかかると思います。リセットとはつまり、病原が付着する全ての物を新しいものに換えるという事です。攪拌治療や高水温治療は手間はかかりますが、メリットとしては自然から借りているライブロックや濾材のサンゴ石などを捨てずに済みますので、リセットよりずっとエコで自然想いです。バクテリアも保持されますから、治療直後より今まで通りの飼育が可能です。

<ご注意>
 我が家の水槽ではこの治療法による飼育生体の死亡はゼロでしたが、飼育している生体の種類やシステムの違いなどによりこの限りでは無いと思います。この治療法は管理者が自信を持ってお勧めできる方法ですが、これによって起こったいかなる事故も管理者は責任をとることが出来ませんのでご了承の上、自己責任にて実施して下さい。
また、よい治療法はこの他にも沢山あります。こちらのページの治療法だけに固執せず、様々な方の治療法を見てみてくださいね。沢山の治療法を学ぶことにより、貴方の水槽に最も適した治療法の範囲が広がって行くのだと思います。


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作者は国語赤点野郎です。文章に不備が合った場合や、分かりにくい事、質問などが御座いましたらどしどしメールをして下さい。ホームページにも反映させていきたいと思っています。

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