B−1)水量=安定度のお話

 

 @章、A章では海水魚の飼育における難易度、注意点などをお話ししてきました。B章からは実際に海水魚を飼育するまでの、海水魚水槽の立ち上げについてお話ししていきます。

 と、その前に・・・

 「システム全体の水量=安定度」についてお話しなくてはなりません。全章までと重複するところがあるかも知れませんが、水槽システムを考える上で大切なポイントなので、今一度、詳しく説明させていただきたいと思います。

 

 海は限りなく広いです。水量も果てしなく多く、海水の水質や温度変化もゆっくりです。水質や水温の「著しい」変化は、海水魚にとって多大なストレスとなります。

 例えば、海にオチョコの裏程度のアンモニアを垂らすとします。アンモニアは次第に拡散し、限りなく薄まっていきます。ですので地球上、海全体の生物にとって全く害をなさないと思います。

 

 ですが30cmの水槽(約18リットル)に同じ量のアンモニアを垂らしたらどうなるでしょうか?アンモニアは薄まりますが、水槽内の魚を死滅させるには十分な量となり得ます。

 

 では、やはり同じ量を90cmの水槽(約160リットル)に垂らしたらどうなるでしょうか?魚には多少害があるかも知れませんが、アンモニアは数時間で光合成細菌によって分解され、生体が死滅するまでには至らないと思います。

 こんな説明をしなくても、皆様はお分かりになっていると思います。ですが、生体数における十分な水量を確保する事はとても大切な事です。

 また、温度や成分の変化はどうでしょうか?30cm水槽に10リットルの真水を混ぜるのと、90cmの水槽に同じ量の真水を混ぜるのとでは、水槽全体の温度変化や比重変化が著しく異なります。

 

 魚達も狭い空間よりも、広くて自由に泳げる空間があった方がより健康的にすごせます。この様に、システム全体での水量が多ければ多いほど、水温や水質も安定してくるわけです。「〜海水魚・安全水槽のすゝめ〜」では、最低でも60cmの飼育水槽容量以上を「安全水槽」としています。(60cm水槽には30cm水槽相当の生物濾過槽を接続することをお勧めしていますので、安全水槽の総水量(飼育水槽、濾過水槽の合計)は70リットル以上となります)

 

 これをふまえて、貴方の計画する飼育システムを考えてみて下さい。次ページからは、そのお手伝い的な紹介をしていきたいと思います。

 


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作者は国語赤点野郎です。文章に不備が合った場合や、分かりにくい事、質問などが御座いましたらどしどしメールをして下さい。ホームページにも反映させていきたいと思っています。

 

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