B−3)水槽の種類と計画

 

 水槽には下記のような種類があり、水量、飼育可能生体数もそれぞれ違ってきます。この他にも大きさの種類はありますが、照明など機器の一般的なサイズと異なるので、特殊なものになります。イメージをしていただくために、イラストを描いてみました。

■飼育状態参考図(魚は安全導入数分記入してあります)

 この水槽の計画は非常に大切です。貴方が最終的に飼育するお魚や、生体数、水槽の大きさをイメージして下さい。正し、最初は小さな水槽(60cmの水槽など)で十分と思っていても、段々とレベルアップしたくなるものです。私がそうでした(笑)

 

 私は60cm水槽から90cm水槽、90cm水槽から120cm水槽を経て、現在の90、90、120、36、36、36、40、40で構成している集中濾過水槽システムに落ち着きました。現在のシステム(総水量600リットル強)にしてからは、魚達やイソギンチャクが目に見えて元気になりました。具体的には、魚達がよく泳ぎ回るようになり、イソギンチャク君は照明が点いている間中、元気にふさふさしています。確かに手間や維持費はかかってしまうのですが、とても安心できるシステムに仕上がったと思っています。(2012年4月現在、更にシステムが増えてます(滝汗)

 

 

 

 また、水槽の大きさもさることながら、水槽の材質にも気を配る必要があります。光熱費などの維持費用のかからないシステムにしたいのであれば、値段は高価になりますが、迷うことなく「アクリル水槽」をお勧めします。※気化熱拡散防止に蓋(フタ)をするのが前提です。

 アクリル水槽壁の厚みは、水槽の深さ、大きさに比例して厚くしなくてはなりません。(水圧は水深に比例します) 600×300×360の規格水槽であれば、壁面の厚さは7.2mm以上、600×450×450の水槽であれば9mm以上、900×600×600の水槽であれば14mm以上が無難です。薄い水槽壁の水槽は確かに安いのですが、特にアクリル水槽では湾曲が激しく、水槽内を見ていると気持ち悪くなるほど光が屈折します。

 アクリル水槽の素材は有機物ですので、時間と共に強度は落ちていきます。強度が落ちる原因は「酸化による劣化」「紫外線による劣化」等が考えられます。この劣化には、アクリルの厚みが増せば増すほど強くなります。また、アクリルには「キャスト」と「押し出し」という2種類の製法があり、強度が著しく異なります。

 アクリル押し出し板 と キャスト板の違いはこちらを参照してください。

 安売りしているようなアクリル水槽は、押し出し板で厚みが薄いものが殆どです(1200×450×450の水槽でも、5〜7mm厚で作成されたものが主流です)この大きさの水槽は実際にはキャスト板で13mm以上の厚みが必要です。特にオーバーフローなどの水槽に加工を加えた製品であれば尚更です。安い品を買って頻繁に買い換えるか、良い品を買って長年使うか。私なら安全性に期待できる後者を選びます。費用はかさみますが、水槽の厚みはしっかりしたもの、以下の表、計算式に当てはめて行きましょう。

 ※押し出し版は重合接合をすると接合面の強度が落ちます(接合時の熱により劣化するため)

 ※逆に、キャスト板を溶剤接着すると接合面の強度が著しく落ちます(溶剤に溶けにくいため)

 

押し出し板: 水槽の厚み=(水槽の高さ<mm>÷50)+押し出し板用係数n

キャスト板: 水槽の厚み=(水槽の高さ<mm>÷100)+キャスト板用係数n

 

※水槽は大きくなればなるほど重量が増しますので、全体の強度が求められます。ですので600mm水槽を基準とし、以下の係数を足した値が水槽壁面厚の適正数値としています。

アクリル押し出し板
(経年劣化の面からお勧め致しません)

 

アクリルキャスト板

水槽の横幅

係数n

水槽の横幅

係数n

600mm水槽

600mm水槽

900mm水槽

900mm水槽

2.5

1200mm水槽

1200mm水槽

1500mm水槽

1500mm水槽

5.5

1800mm水槽

1800mm水槽

 

強度を保てるアクリル水槽・壁面の厚み表

 

アクリル押し出し板水槽(溶剤接着)
(押し出し板は質量が低く、経年劣化の面からお勧め致しません)

水槽の横幅

水深300mm

水深360mm

水深450mm

水深600mm

600mm水槽

 6mm以上

 7.2mm以上

 9mm以上

12mm以上

900mm水槽

 8mm以上

 9.2mm以上

11mm以上

14mm以上

1200mm水槽

10mm以上

11.2mm以上

13mm以上

16mm以上

1500mm水槽

12mm以上

13.2mm以上

15mm以上

18mm以上

1800mm水槽

14mm以上

15.2mm以上

17mm以上

20mm以上

 

アクリルキャスト板水槽(重合接続)

水槽の横幅

水深300mm

水深360mm

水深450mm

水深600mm

600mm水槽

4mm以上

4.6mm以上

5.5mm以上

7mm以上

900mm水槽

5.5mm以上

6.1mm以上

7.0mm以上

8.5mm以上

1200mm水槽

7.0mm以上

7.6mm以上

8.5mm以上

10.0mm以上

1500mm水槽

8.5mm以上

9.1mm以上

10.0mm以上

11.5mm以上

1800mm水槽

10mm以上

10.6mm以上

11.5mm以上

13.0mm以上

※数値は強度計算技術者と相談の元に設定しています。

 

 これはあくまで「かなり辛口の技術者」と話をして算出した値です(汗)ですのでアクリルキャスト板で作成し、これだけの厚みがあり、補強フランジを適正なものにすれば、水圧による湾曲はほとんどしないと言うレベルです。

 

 保温性はガラス水槽よりもアクリル水槽の方が圧倒的に優れていますが、水圧による湾曲や長期間の耐久性に関しては、有機物のアクリルよりも、無機物のガラス水槽の方が優れており、水槽の厚みを薄くできます。また、耐衝撃性は粘性のあるアクリル水槽に軍配が上がりますが、ガラス水槽よりも値段が張ります。(アクリルの耐衝撃度はガラスの約10倍)私なら外気温の上下に左右されにくく、万が一の衝撃にも強いアクリル水槽を選びますが、総合的に見ると一長一短ですね。

 

 貴方が飼育する予定の環境が想像できましたか?次項では超重量の水槽を支える水槽台についてお話ししたいと思います。


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作者は国語赤点野郎です。文章に不備が合った場合や、分かりにくい事、質問などが御座いましたらどしどしメールをして下さい。ホームページにも反映させていきたいと思っています。

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