B−10−3)ペットボトル還元(脱窒)ボックスの作り方

 還元(脱窒)ボックスは、作り方、扱い方を間違えると水質を崩壊させる恐れがあります。必ず以下の説明を理解してから作成してください。


 無脊椎生物などがいる水槽では、濾過過程の最後に残る「硝酸塩濃度管理」などが重要になってきます。無脊椎を飼育する場合、出来る限りこの硝酸塩は低い濃度に保つことが重要です。還元濾過ボックスはこの「硝酸塩」を貧酸素状態下に置かれたバクテリアによる還元作用により「窒素」へ変換し、水槽外へ排出します。この還元作用は注意すべき点が多数有り、管理が難しいのが現状ですが、還元ボックスのしっかりした構造、管理の下での還元は、不純物である「硝酸塩」を除去していくと言うことで、生体にとって大変有意義な生物濾過と言えます。以下の1)〜5)を良く読み、理解した上で実施して下さい。

 また、近年ではBP(バイオプランクトンシステム)などのバイオフィルムを使った安全な脱窒濾過製品が出てきています。BPシステムは自作するのが難しく、購入すると値段も高いです。下記の還元脱窒BOXは自作で安価に作成できますが、管理が難しくちょっと間違えると水槽崩壊に繋がることもある事をご了承の上、ご使用下さい。

 

 この還元濾過BOXは、濾過BOX内を「還元が起こるレベルの貧酸素」にして還元作用を起こさせるものではありません。

 

 好気性バクテリアを大量に増殖させ、炭素元(デニマックスなど)の周りに好気性バクテリアのバイオコロニーを作らせ、その内部で還元濾過を起こさせるものです。多少の貧酸素をトリガーとし、炭素元を中心としたバイオコロニー内部の嫌気性バクテリアの働きを促進します。

 

 

1)ペットボトル還元(脱窒)ボックスが設置できないシステムについて

@総水量が100L以下のシステム(飼育水槽容量+生物濾過槽容量)
  要因:万が一硫化水素が発生した場合に、海水の容量が少ないと毒が拡散せず、あっという間に生体が死滅してしまう為。

  水槽容量=幅×奥行き×高さ×0.9(水槽の厚みなど)

A開放的な濾過槽が無いシステム(生物濾過槽が外部濾過のみのシステムなど)
  要因:還元ペット内の目詰まりを防止する為、物理濾過を通った後の、浮遊物が除去された後の海水を通す必要がある為。

外部濾過装置に接続することは最も危険です。外部濾過装置自体の流量も減り、外部濾過装置も還元濾過装置になってしまいます。

B生物濾過総容量が15リットル以下のシステム
  要因:ペットボトル濾過(脱窒)ボックスは、6リットル前後の大型のペットボトルを使用します。「還元濾過能力」は「硝化濾過能力」を上回ると、還元による亜硝酸発生時に、好気性濾過で硝酸塩へ硝化仕切れない(=生体の全滅)など、様々な問題を引き起こします。

C立ち上げたばかりの水槽
  要因:立ち上げから3ヶ月以内の水槽には、還元濾過装置の設置をお勧めできません。それは硝化濾過に必要な好気性バクテリアがまだ繁殖しきっていない可能性があり、その働きも不安定だからです。ここに硝化濾過と逆の動きをする還元濾過装置を設置すると、好気性バクテリアの繁殖に支障をきたします。好気性硝化濾過細菌が十分に繁殖し、硝酸塩濃度が気になりだした頃に還元濾過装置を設置してください。

 

2)還元濾過のメリット/デメリット

 還元濾過装置を水槽システムに導入するに当たり、どんなメリットがあり、どの様なデメリットがあるのかをしっかり把握する事が大切です。硝化濾過(通常の好気性バクテリアによる硝化濾過)はさほど神経質にならなくても容量さえあれば失敗は少ないのですが、還元濾過(嫌気性バクテリアによる還元濾過過程)では、安易な管理下ではかなり危険な毒素(硫化水素)を放出する可能性があります。

■メリット

 ・好気的硝化濾過サイクルの最終物質である「硝酸塩」を窒素に変換するので、
  サンゴやイソギンチャクなどの、水質にうるさい無脊椎も安心して飼育できる。
 ・硝化濾過と還元濾過のバランスがとれると、水槽が半メンテナンスフリーになる。
 ・不純物の硝酸塩の蓄積を防げるので、水槽内の生体も過ごしやすくなる?
 ・コケ類が圧倒的に減る。

<余談>
 換水頻度が減っても、海水中の栄養分(カルシウムなど他多数)は時と共に減少していきます。例え硝酸塩濃度が低く保たれる水槽でも、海水が古くなる前の水換えや栄養分の管理は絶対的に必要です。また、海水が古くなってくると余計な悪性細菌も繁殖しやすくなりますので、病気予防の為にもやはり水換えは必要です。完全なるメンテナンスフリーにはならないことをご承知下さい。(最低でも月2回の水換えは実施しましょう。/本来は1ヶ月で総水量分の換え水を行うぐらいが理想です)

■デメリット

 ・還元をもっと起こそうと水量を絞ると、還元濾過装置の内部が著しい貧酸素状態になり「編性嫌気性細菌」が繁殖し、硫化水素を発生させてしまい、生体が全滅する恐れがある。
 ・一度バランスがとれた硝化、還元濾過も、時間が経つにつれてバランスが崩れていく。(約半年〜1年で変化が現れて来るようです)
 ・頻繁な水質管理(特に硫化水素の匂いを確認する)が必要になってくる。
 ・目詰まりなどがあると内部の平均的な流水バランスが乱れ、硫化水素が発生する可能性があるので、物理濾過後の海水を吸入する必要がある。

 

 還元濾過はこのデメリットに対して、しっかりとした管理をしていく必要があります。しかし十分に還元濾過のメンテナンスが行き届き、バランスのとれた濾過サイクルが出来上がれば、そこは生体にとって非常に快適で、オアシスの様な水槽になります。また、濾過サイクルが良質であればあるほど、病気の発症も少なくなります。何故なら快適な環境で生活した生体は健康度や体力が上がり、それに伴い病気に対しての抵抗力も上がるからです。

 還元BOXの作り方をご紹介させていただく前に、もう少しだけ重要な注意点があります。是非以下も参考にして下さい。

 

3)還元濾過の仕組みと注意点

★硝化濾過(好気的酸化濾過)
 
アンモニア(NH3)猛毒 → 亜硝酸塩(No2)毒 → 硝酸塩(No3)ほぼ無害

 通常、水槽内や濾過槽で行われる生物濾過は「好気性バクテリアによる好気的な硝化濾過」です。この好気的な濾過によって、アンモニア〜硝酸塩の硝化濾過が行われ、生体にとって有害な物質がほぼ無害な物質に変化していきます。

 お魚だけの海水水槽ではこの硝酸塩はほぼ無害で、ある程度溜まっても定期的な換水と共に除去できますので問題にはなりません。しかし無脊椎やその他の厳しい水質管理を要する生体を飼育している場合は、この水槽へ溜まっていく一方の硝酸塩が問題になってきます。無脊椎などは30mg/L程度の硝酸塩濃度でも、体調を崩す固体が出てしまいます。飼育する個体数と水槽容量にもよりますが、換水だけの硝酸塩対策では硝酸塩を30mg/L以下に維持するのは手がかかり難しいと思います。

 そして今回ご紹介する「ペットボトル還元(脱窒)ボックス」は、若干の貧酸素をトリガーとし、炭素元を中心としたバクテリアコロニー内部で還元濾過を起こすものです。好気的な硝化濾過をしていたバクテリアは薄い膜で出来たコロニーを形成します。この内部では酸欠状態になったバクテリアが「嫌気性バクテリア」に変化し、「硝酸塩」に含まれる酸素(o)を取り出して行くと言う濾過方法です。「硝化濾過」と逆の「還元濾過」をさせることにより、水槽へ溜まっていく一方の「硝酸塩」を一気に「窒素」へ変換し、大気中へ放出させます。ただ、このバクテリアを維持するためには餌となる物質が必要です。(生分解プラスチックや水槽内の有機物など)

★還元濾過(嫌気的還元濾過)
 
硝酸塩(No3)ほぼ無害 → 亜硝酸塩(No2)毒 → 酸化窒素(No1)毒 → 窒素(N)ほぼ無害/大気中へ放出(一部水槽内へ溶解)

 この還元濾過を司るのが嫌気性バクテリアですが、「嫌気」とは言え、元は好気性バクテリアだったのがコロニー内部で「嫌気性バクテリア」に変化したものです。ですので好気性バクテリアのコロニー形成のために酸素は必要になってきます。酸素が足りなくなってきた状態の嫌気性バクテリアは、どこからか酸素を取り込もうとします。上の流れでも分かる通り、貧酸素状態の中で「酸素を必要としている」嫌気性バクテリアが(N:窒素)にくっついた(o:酸素)を取り出し、最終的に窒素へ還元します。

 しかし、この変換する過程で生体にとって有害な「亜硝酸塩」「酸化窒素」がバクテリアコロニー内で発生します。大切なのは「ボックス内で還元濾過を起こすのではなく、好気性バクテリアのコロニー内で亜硝酸塩や酸化窒素を窒素へ完全に変換させなくてはならない」と言うことです。

 通常は上記行程の全てが還元濾過ボックス内で行われますが、硝酸塩濃度が著しく高かったり、BOX内の酸素が著しく低下すると還元効果が一気に進み、水槽内へ大量の毒素が放出されてしまいます。これを早期発見する為には、定期的な水質検査(特にNo2検査)が欠かせません。少しでも異常な数値(生体に害がある数値 例:亜硝酸塩濃度<No2>が2.5mg/Lを越えるなど)を検出した場合、速攻で水換えをし、24時間程度経った後に再度亜硝酸塩濃度を計測し、数値が改善しない場合は還元濾過ボックスの使用を中止してください。

 また、著しい酸欠状態(著しい密閉状態)にし、ボックス自体が嫌気的になり過ぎて無酸素状態に近くなると、嫌気性バクテリアとは別の「偏性嫌気性細菌」が発生し、海水内の硫黄成分を取り込み、「硫化水素」を発生させてしまいます。卵の腐ったような匂いがするのですぐに分かります。著しい硫黄の匂いがする場合はすぐに還元ボックスの使用を中止します。ただ、多少卵の腐った匂いがする程度の場合は、還元ボックスへ送られる水流が若干足りないだけなので、水流を徐々に強め、調節して行きます。

 

4)「海水停滞式還元ボックス」と「海水流動式還元ボックス」の違い

 

<海水停滞式還元(脱窒)ボックス>

 

 上のイラストは「海水停滞式還元ボックス」です。濾過槽や飼育水槽内に設置するタイプのもので、様々な問題を持っています。私の知る限り、この還元ボックスを「自作」し、水質が崩壊した例を数件見ています。きちんと設計され、内部の海水循環も計算し尽くされた商品(海水館さんの還元BOX等)であれば問題ないのですが、自作の場合はその実験も難しく、管理もシビアです。

 上図の還元ボックスに、色別で予想される酸素濃度を書いてみました。水色部分は飼育海水とほぼ同じ酸素量、中心に行くに従いその酸素量は薄くなり、中心部分では海水の交換がほぼなくなり、著しい貧酸素状態になっていきます。

 還元ボックスの酸素交換の仕組みは「穴」から行われる「流水による物理的な酸素交換」と、「酸素の浸透圧」によるもので、設置する場所、箱の大きさ、濾材の大きさなど、内部の酸素量は濾材密度に著しく作用されます。

 このタイプの還元ボックスの管理に失敗し硫化水素が発生すると、還元ボックス表面が白い糸の様な物で覆われます。また、時間と共に内部の目詰まりが増え、最初は上手く還元を行っていても、時間が経つにつれ内部の貧酸素状態が変化していきます。

 手軽で簡単に作成できるのがメリットなのですが、管理がシビアで、貧酸素状態の調整にかなりの努力を要する還元濾過装置と言えます。ですのでこのタイプの還元ボックスを使用する場合は、自作はかなりの努力と徹底した管理が必要なので、信頼の置けるショップ様で、「商品」として完全なものを購入することをお勧めします。

 

<海水流動式還元(脱窒)ボックス>

 

 上のイラストは今回ご紹介する「海水流動式ペットボトル還元ボックス」です。外部濾過装置と同じく、飼育水槽の外や濾過槽の内部に設置します。海水は物理濾過槽の直後からポンプで取り入れ、内部には常に「目詰まりの元となるゴミが取り除かれた高酸素の海水」を供給する必要があります。

 海水流動式還元ボックスの内部は、好気性硝化濾過が行われ若干の貧酸素を作るエリアと、バクテリアコロニー内部で嫌気性還元濾過が行われるエリアに別れます。イラストの高酸素部分、中酸素部分には「好気性バクテリア」が繁殖し、通常の硝化濾過を行いながら、徐々に酸素が消失されていきます。そして海水が上に行けば行くほど多少の貧酸素状態になり、それがトリガーとなりバクテリアコロニーを形成させ、内部で「還元(脱窒)濾過」が行われます。海水は常に循環しているので、流水の停滞域が発生しにくく、適切な流量で運転していれば硫化水素の発生も防ぐことが出来ます。

 還元濾過ボックス内部は、好気性硝化濾過と嫌気性還元濾過がバランスよく行われる事が望ましいです。このバランス調整を、違う性質のバクテリアの繁殖が助けてくれますので、水流調整に幅を持たせる事が出来ます。

 

 何度も言って申し訳ないのですが、還元濾過BOX内を還元が起こるほどの貧酸素にしてはいけません。あくまで若干の貧酸素をトリガーとし、炭素源を中心としたバクテリアコロニー内で還元作用を起こします。

 

5)注意点

 還元濾過ボックスを設置するにあたり、水槽内へ劇的な変化が起こりますので、必ず以下の注意点を重視し、水質管理を徹底して下さい。徹底した水質管理を怠ると、水槽内に「亜硝酸塩」「硫化水素」が大量に発生し、水槽内の生体が全滅する恐れがあります。

 還元濾過ボックスの設置は、自己の責任に於いて実施してください。また、硝酸塩に弱い無脊椎がいない海水魚だけの水槽には全く必要ありません。尚、ペットボトル還元(脱膣)ボックスを設置した事により起こったいかなる問題や事故にも、管理者は責任を取ることが出来ませんのでご了承の程、宜しくお願い致します。

立ち上げたばかりの水槽には絶対に設置しないで下さい。バクテリアの繁殖に支障をきたします。最低でも立ち上げから3ヶ月以上経ってから、硝酸塩濃度が気になってきたら設置して下さい。

★たまに還元(脱窒)ボックスの様子を観察する必要がありますので、よく見える開放的な場所へ設置して下さい。

<その他の注意点>

@海水水槽内の好気的硝化濾過過程を十分理解した上で設置してください。(食べかすや糞尿 → タンパク質 → アンモニア → 亜硝酸塩 → 硝酸塩)

A上記の好気的生物濾過能力を超える還元濾過は危険です。還元濾過はその能力が高く、通常は硝化濾過よりも迅速に成分の変換が行われます。「嫌気的還元濾過容量」は「好気的硝化濾過容量」の1/3以内に納めてください。(好気性硝化濾過槽の容量です。飼育水槽容量ではありません。)

B硝酸塩濃度が50mg/L以上の水槽には設置しないで下さい。硝酸塩が大量に存在していると一気に還元濾過が進み、亜硝酸塩が大量発生する事があります。生体が全滅する恐れがありますので、この様な場合は換水などをし、50mg/L以下に整水してから設置して下さい。

C亜硝酸塩、硝酸塩の濃度測定を、亜硝酸塩濃度が平常に戻るまで毎日行って下さい。還元濾過が正常に機能してくると、2週間ほどで亜硝酸塩と硝酸塩の変化が落ち着き、効果が出てくるはずです。異常があれば即換水を行い、劇的な異常が見られた場合は(亜硝酸塩が5mg/Lを越えるなど)還元濾過の使用を一時的に中止して下さい。(異常な還元が行われている場合、その原因の殆どは「流量不足」によるものであることが多いです)

D内部のバクテリアの栄養源(デニマックスなど)は半年ほどで消化されてしまいますので、還元ボックスは定期的なリセットが必要です。

E24時間以上流水が停止した還元濾過ボックスを再利用しないでください。酸素の供給が絶たれると内部の貧酸素状態が著しく進み、徐々に編性嫌気性細菌が繁殖し、硫化水素が発生します。この様な場合は一度水道水などで内部をすすいでから、再び正しく設置してください。

 以上の様な点に注意し、還元濾過ボックスの作成、設置を行ってください!


 前置きが長くなってしまって申し訳御座いませんでした。大切な命を守るため、どうしても外せない部分でした。それではいよいよ、ペットボトル還元(脱窒)ボックスの作り方をご説明させて頂きたいと思います!


■用意する物

写真(ペットボトル還元(脱窒)ボックスの材料

 ・亜硝酸塩測定薬(No2測定紙など)必須
 ・硝酸塩測定薬(No3測定紙など)必須
 ・焼酎ダイゴロウなどの大きなペットボトル
   (2L等の背の低い小さなペットボトルでは内部容量が足りず、正常な還元濾過が行われにくいです)
 ・硝化and還元濾材 ※小豆大のサンゴチップが安価で適当です。
 ・栄養材 対応水量分 ※デニマックスなどの生分解プラスチックが熱帯魚ショップで販売されています。
 ・ドリルなどの穴空け器具とドリル刃(3mmと12mm) 
取扱注意!
 
・塩ビパイプ(外径13mm)→塩ビパイプは13mmでなくても構いませんが、ドリル刃より直径が1mmほど大きな物を選択して下さい。
 ・耐塩性のあるホース(外径13mm)→ホースは13mmでなくても構いませんが、塩ビパイプに適度に接続できる太さを選んでください。
 ・エアレーションホース
 ・エアレーションホースのジョイント
 ・水流を調節できる海水ポンプ(Rio1400等が流量もあり、安価で使いやすいです)
 ・水中ボンド、若しくはシリコンコーキング材(水漏れ防止対策・目止めに使用します)
 ・タイラップ(束線バンド)<ホースの水漏れ、抜け防止に使用します>
 ・水道用目止めテープ(ペットボトルキャップの密閉に使用します)

 ※デニマックスの栄養効果継続は半年ほどです。溶けてなくなっても周りのバクテリアコロニーに保存されています。

 

1)ペットボトルのふたを取り、内部をよく洗い、ペットボトルのキャップ裏に着いている密閉材を取り、キャップに直径12mmと3mmの穴を開けます。

※1:ペットボトルは必ず5L以上ある大型のものを使ってください。2Lなどのペットボトルだと容量が足りません。
※2:大五郎の焼酎ペットなど、大型の物はボトルキャップが大きく設計されています。2Lのペットボトルだとキャップの大きさも足りず、12mmと3mmの穴を開けられません。

 

2)ペットボトルに穴の空いたキャップを取り付け、塩ビパイプを底に当たるまでしっかり差し込み、マーキングします。また、エアレーションジョイントも3mmの穴に差し込みます。マーキングした塩ビパイプは取り外し、マーキングから5cmほど長く切断します。

 ※差し込みがきつい場合は、ライターなどでペットボトルの蓋をあぶると差し込み易くなります。(火気注意!!)

 

3)ペットボトルの蓋を取り、ペットボトルの半分ほど、硝化濾過領域のサンゴチップを投入します。

 こんなのあると便利ですね〜(100円ショップのお品です)

 

4)次に還元濾材(サンゴチップ)とデニマックスを交互に、満杯になるまで繰り返し入れていきます。

<余談>
我が家は総水量650Lなので、デニマックスを対応水量分入れるととんでもない金額になってしまうので・・・(3万とかになっちゃいます汗)8千円分、30個ほどを放り込みました(汗)高いです・・・BP用のバイオペレットが安くて量もあり良いですね。

 

5)ペットボトルの口から先ほど切り出した「塩ビパイプ」を、捻りながら底までしっかり差し込みます。そしてペットボトルの口に水道用の目留めテープを、塩ビパイプに厚めに目止め材を塗り、キャップを塩ビパイプに通して閉めます。(この際に目止め材がしっかり密着します)そしてキャップを閉め終わったら、塩ビパイプを1cmほど引き抜き、ペットボトルの底に海水の通るスペースを作ります。目止めが乾くまで、そのまま24時間ほど放置します。

 ※ペットボトルの蓋の穴を塩ビパイプとぴったりに開けられれば、水道用の目止めテープを塩ビパイプに巻き、ねじ込むだけでも水漏れは防げます。こうすると次回のリセット時も、楽に栄養剤の交換が出来ます。

 ※ペットボトルネジ部分の目止めテープ、パイプの目止め(目止め材 or 目止めテープ)は必ず施行して下さい。怠ると水漏れが発生します。

 

6)ペットボトル内の乾燥には、エアポンプを接続するのが一番良いようです。下の写真の様に、ガムテープなどで密閉して接続します。

※ただし、内部の濾材に溶剤の成分が回らない様に、太いパイプから内部へ空気を送って下さい。

※目止めに水道用の目止めテープのみを使用した場合は、乾燥の工程は省けます。

 

7)エアポンプにて24時間の乾燥後、毒抜きのため水道水を5分ほど通します。ホースに塩ビパイプとポンプを接続し、水漏れを起こさない様に「ホース止め」や「束線バンド」でしっかり固定します。また、エアレーションホースもホースジョイントに接続し、束線バンドで固定します。エアレーションホースはキスゴムなどを使い、濾過水槽に固定します。

 ※安全の為、放水パイプは濾過槽へ設置して下さい。飼育水槽には設置しないで下さい。

 ※写真のポンプは流量5L/分のminiポンプです。コレは流量が足らず、ダメダメ(涙)でした。Rio1400等が適度な水量調整をしやすいようです。色々試しましたが、具体的には1分間に20L以上の流量があるポンプが使いやすかったです。

 

8)ポンプを稼働させ、ペットボトル内部に海水を呼び込みます。エアレーションホースから出る海水は、毎分500ml〜1L前後になる様にポンプの水量を調節します。(流量の測定には500mlペットボトルが便利です)細いホースから毎分500ml〜1L前後の海水を出すので、結構びゅーびゅー出る様になるはずです。

 ※毒抜きのため水道水を通してますので、海水がペットボトル全体に巡るまで洗面器などで排水を取ります。

 ※万が一の水漏れに備え、還元ペットボトルは濾過水槽の内部などに設置することをお勧めします。

 

 作り方だけ見た方は「還元濾過BOXにしては流量が多いぞ?」と思われるはずです。これは上記の説明を読んで頂いた方にはよく理解頂けていると思います。なのでこのページの説明を絶対に読んで作ってくださいね(T_T)

 


<豆知識>
 ペットボトル内に満たされる海水は、濾材などの容積により1L前後になります。何度か調整して分かったことですが、1分間で内部の海水が全部入れ替わる程度の水量が、硝化、還元(バクテリアコロニー内)を同時に行うタイプの還元濾過には最適の流量となり、また、硫化水素が発生しない安全な流量になる様です。約3日ほどで好気性硝化バクテリアと嫌気性還元バクテリアが繁殖して効果が出てきますので、水質管理や硫化水素の匂い(卵の腐った匂い)に気を付けてみて下さい。しかし、水槽の初期立ち上げと同じく、完全なるバクテリアの繁殖には最低でも2〜3週間はかかります。ですので硝酸塩がゼロに近づいてくるのも、このころとなると思います。


 約半年で炭素源が嫌気性バクテリアの栄養源として消化され、還元の効果が薄れてきます。その場合は一度還元ペットボトルをリセットする必要がありますが、ペットボトルの口、キャップに行った目止めは一度剥がし、リセット後に新たに目止めを行って下さい。

 

■以上で出来上がりですが、設置後の管理が絶対的に必要です。亜硝酸塩、硝酸塩の数値を毎日測定し、問題がないかを確認して下さい。また、万が一の時のため、常に換水用の海水を準備しておくとなお安心です。


■細いパイプのバクテリアコロニー管理(必須)

 上の写真は還元ボックス設置から10日後、還元ボックスの細いパイプ内に付着したバイオコロニーが水槽へ落ちてしまった時の写真です。写真中央のモヤッとした白い糸がそれです。ヤドカリとエビがコレに飛びつき、ムシャムシャ食べていました(滝汗)これを手に取り匂いを嗅いでみると、かすかに硫黄の匂いがしました。間違いなく内部で還元濾過が行われているバイオコロニーです。幸いヤドカリ君とエビ君が死んでしまうことはありませんでしたが、ちょっと怖かったです。

 細いパイプには白い繊維のようなバイオコロニーが溜まってきます。これは還元濾過BOX内でバイオコロニーが作られている証拠で、心配する事はありませんが、流量に影響してしまうので定期的にパイプをモジモジして除去する必要があります。外見はパイプが黄色く色づいてきます。もちろんペットボトルなどで受け止め、水槽内には落ちないように掃除をします。1週間に1度は必ずパイプをモジモジして、掃除をして下さいね。


■我が家の亜硝酸塩と硝酸塩の変化

飼育水槽:約450L/濾過槽:約200L/総水量:約650L
初期亜硝酸塩:0.05mg/L/初期硝酸塩:25mg/L

脱窒BOX内流量:1分間に約500ml

使用検査薬:レッドシー・NO2、NO3測定薬(参考濃度表の未記載間は目分量)

4、7、14、18、21日目に、総水量の1/10ほど換水を実施しています。

日数

亜硝酸塩

硝酸塩

0.05mg/L

25mg/L

0.05mg/L

25mg/L

0.05mg/L

25mg/L

0.05mg/L

20mg/L

0.07mg/L

20mg/L

0.07mg/L

20mg/L

0.07mg/L

15mg/L

0.5mg/L

20mg/L

20mg/L

10

20mg/L

11

20mg/L

12

15mg/L

13

15mg/L

14

15mg/L

15

15mg/L

16

15mg/L

17

10mg/L

18

10mg/L

19

15mg/L

20

0.03mg/L

10mg/L

21

0.05mg/L

7mg/L

22

5mg/L

23

7mg/L

24

5mg/L

25

ほぼゼロ

26

27

28

 我が家の場合は約3週間半で硝酸塩はほぼ検出されなくなりましたが、途中4日目に一度だけ水中ポンプの調整が微妙だったため、流量が自然に少なくなり、卵の匂いがちょっとしました・・・危ない橋を渡りました(汗)脱窒ペットボトルの流量だけは、毎日「目視」でいいので確認して行くべきだと思いました。心配であれば流量をもっと強めにしても効果は出ます。(流量を著しく上げるとバイオコロニーの形成が遅れ還元速度が若干落ちますが)

 また、最初は換水もいつも通り、1週間に2度(水曜日と土曜日)に行いました。BPなどのペレットを定期的に攪拌して硝酸塩を取り込んだコロニーごとスキマーで除去してしまうシステムとは違い、硝酸塩の低下は非常にゆっくりしたものです。換水をする度に数値が下がり、還元ボックスを設置してからは、その下がった数値の状態が維持される感じでしたが、普段なら常に硝酸塩の数値は水替えといたちごっこでしたので、確実に効果は出ていると思います。

<2008/01/12追記>
 還元脱窒ペットボトルの設置から約6ヶ月が経過した我が家の水槽ですが、未だ硝酸塩はほぼ検出されないまま、効果は確実に出ているようです。ただし、途中で水換えをサボってしまい、多少硝酸塩が検出された事もありました。水換えって大切ですね(涙) デニマックスは2ヶ月後には外見ではほぼ溶けていましたが、まだ効果は続いているようです。ですがそろそろオーバーホールの時期ですね(汗)

 

 余談ですが、うちの水槽、何故だか亜硝酸塩が0.05mg/L以下にならないんです。うーん、餌の与えすぎなのかなぁ・・・それともこんなものなのか。どうも亜硝酸塩はほぼ検出されないのが普通らしいのですが、0.05mg/Lってほぼ検出されないうちに入るのですかね!?むむむ。分かる人教えてください!(切実)

<2009/01/29追記>
 亜硝酸塩が5mg/L以下にならない原因が判明しました。これは「硝酸塩→亜硝酸塩→酸化窒素→窒素」の行程で、還元途中の亜硝酸塩が水槽内へ流出していた事が原因でした。流量を絞って解決しましたが、流量を絞ると含有酸素が更に低下しますので、慎重な調整が必要ですね。まぁ0.05mg/Lですからほぼ無害だとは思います。無脊椎にもお魚にも異常は出ていません。

 

 

■亜硝酸塩、硝酸塩濃度が落ち着いた後の管理

 還元濾過ボックスを設置した場合は、最低でも1週間に1度は水質測定を行って下さい。水温の上昇や生体数の増加、比重の変化や水替えなどを行った場合、一時的に硝酸塩が増加すると還元ボックスにより、水質に大きな変化が起こる場合があります。

<管理しておきたい成分例>

  亜硝酸塩濃度(No2)/硝酸塩濃度(No3)/ペーハー(PH)/リン酸塩濃度(Po4)

亜硝酸塩濃度
(No2)

2.5mg/L以下
(無脊椎水槽では0.5mg/L以下)

硝酸塩濃度
(No3)

50mg/L以下
(無脊椎水槽では20mg/L以下)

ペーハー
(PH)

7.8〜8.6
(無脊椎水槽では8.2〜8.4)

リン酸塩濃度
(Po4)

0.5mg/L以下
(無脊椎水槽では0.2mg/L以下)

等々・・・・

 

 上記海水成分を硝化/還元のバランスを上手く保ち、規定数値内に納めることができれば「サンゴ」や「イソギンチャク」などの水質にうるさい生体も、大概の場合が安全に飼育できると思います。(購入時から問題を抱えている無脊椎<シアン採取された個体など>の安全飼育についてはその限りではありません)

 

 色々うるさく注文が多くて申し訳御座いませんでしたが、硝酸塩がゼロに近くなって来ると、きっと貴方もにやついてしまうはずです(笑)多少注意しなければならない点が多いですが、ばっちり決まった還元濾過は、生体の長期維持にかなり有効ですので、是非貴方も挑戦してみて下さいね。

 

 また、BP(バイオプランクトンシステム)ですともっと安全に脱窒濾過が出来ます。BPリアクターと共にプロテインスキマーも設置しなければなりませんが、バイオコロニーの攪拌と同時にリン酸塩もバクテリアに吸収されるらしく、リン酸塩濃度も低く保たれます。mini-shopでも販売しておりますので、興味のある方は仕組みと原理をご覧になってみて下さい。



作者は国語赤点野郎です。文章に不備が合った場合や、分かりにくい事、質問などが御座いましたらどしどしメールをして下さい。ホームページにも反映させていきたいと思っています。

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