<ファイバー濾材の威力・実験結果>
この実験はお客様に協力して頂き、2009年の1月30日〜02月05日までの7日間、ファイバー濾材の実験をした結果です。物理濾材(ウールマットなど)は本来2、3日で交換するのが適当なのですが、今回は実験のため7日間の連続使用にて海水透明度の差を見ています。
ご協力頂いたのは神奈川県大和市にお住まいのY.Sさんです。このシステムはW900×D450×H450水槽に海水用上部濾過槽を設置しており、後にアクアグランド製の高酸素濾過槽へ変更しています。
上の写真は水槽立ち上げから1ヶ月ほどのもので、少数の海水魚のみ入れたにもかかわらず、水換えをしても海水の濁りが中々取れないと言う問題が発生しておりました。曇った様な海水がお分かりでしょうか?右壁面の写りを見るとよく分かります。これは海中の微生物(藻類、細菌類)の大量繁殖が原因で、バクテリアがもっと繁殖し、通常の稼動をしていれば1ヶ月ほどで解決する問題でしたが、ファイバー濾材の威力を試すため、モニターとしてご協力して頂きました。
百聞は一見にしかず。ファイバー濾材の威力をご覧下さい。
2009年1月30日。ファイバー濾材実験開始!
まずはファイバー濾材の汚れ具合をご覧下さい。日が経つにつれ汚れ具合がはっきりと目立ってきます。が、2月4日と2月5日を比べてみると汚れ具合が軽減されています。これはファイバー濾材上で繁殖した「バクテリア」が汚れを分解してきたからです。2月4日時点でファイバー濾材の交換を行うと硝酸塩数値の上昇を防げますが、このまま使用すると生物濾過能力が著しく上がります。目詰まりするまで使えますので状況に応じて使用方法を検討してください。
次に水槽の透明度を比較してみます。
ぱっと見では分かりにくいですが、水槽右壁面に写り込んでいる反射物をよーくご覧下さい。日が経つにつれ、段々と曇りが取れていく様子がよく分かると思います。1月31日の壁面、2月5日の壁面の角部分と、写り込んでいる反射物を比べてみてください。透明度が雲泥の差なのがよく分かります。分かり易い様に開始時と最終日の写真を比べてみました。
角のコーキングと水槽壁面に写り込んでいる物体の鮮明度がまったく違います。施行前は水槽内に発生した微生物や藻類でかなり濁っていた事がわかります。最後の2月5日に水槽内を反時計回り(北半球の渦の向き)に海水が回る様、水中ポンプを設置しました。底に溜まっていたデトリタスも舞い上がり、ファイバー濾材によって濾過され透明度の高い綺麗な海水になりました。
<ご注意>
ファイバー濾材はPHを安定させるカルシウムなどが含まれています。魚だけの水槽では問題ないのですが、イソギンチャクやサンゴがいる水槽では刺激を受け一時的にしぼんでしまう事があります。無脊椎がいる水槽では、最初はごく少量から始め、徐々に徐々にファイバー濾材を増やして下さい。我が家の水槽でもハタゴイソギンチャクがしぼみましたが、一度全て取り出し、毎日徐々にファイバー濾材を追加することにより問題なく設置できています。
※写真は説明のためウールボックスが木製ですが気にしないで下さい(笑)
ファイバー濾材はウールマットに挟むか、厚手のウールマットの中央部を周囲1.5cm程を残し裂いて使用します。写真の様に下のウールマットを箱状に設置し、ファイバー濾材が流れ出ない様に囲いを作ります。ファイバー濾材は1〜1.5cmの厚みになる様に設置し、その上に別のウールマットを敷き蓋をします。厚手のウールマットの中央部を裂いて使用すると、流出を簡単に防ぐことができます。
こちらは保科エンタープライズ製の高酸素濾過槽(水槽内オーバーフロー)です。この様に物理濾過BOXをウールマットで完全に囲い、ファイバー濾材を設置します。
ファイバー濾材の威力がお分かりいただけましたでしょうか?ファイバー濾材は汚れだけでなく、目を通らない白点中の仔虫などもキャッチしますので、水槽の治療時にも威力を発揮します。その目の細かさにより様々なメリットがあるファイバー濾材。是非貴方の水槽でも是非ご活用ください。